これからの旅客機
(2000年代以降のジェット旅客機)

 


 客機メーカーの2強が大型機の世界に投入したのがエアバスA380型機(2005年初飛行)ボーイング747−8型機(2009年初飛行予定)です。
 
 380は、エアバス社が悲願としてきたボーイング747と対抗できる大型機として完成させた世界最初の4発の総2階建て超大型旅客機で長く「世界最大」の座を守っていたボーイング747を超える機体として登場しました。座席数最大840席、最大離陸重量560トンというまさしく巨人機ですが最新のエンジンにより驚くほどの静粛性を誇る機体となっています。艤装関係の処置に手間取り3度の納入延期を起こしましたが2007年10月に最初の機体引渡しを行い、飛来する先々で注目を集めています。

 抗する747−8は、元々大型機の開発に消極的だったボーイング社がA380計画の進捗に危機感を覚えて立案したものでベースとなる747−400の主翼前後に胴体を延長し、主翼や客室内装の改良、787向けに開発されたエンジンを採用することでより高い経済性を実現する、としています。貨物型を中心に受注を集めており、貨物型が先にデリバリーされる予定となっています。

エアバス
A380

初飛行:2005年

ボーイング
747−8

初飛行:2009年予定

       

 
方、大型機以上に熾烈な受注競争を繰り広げているのが中型機のボーイング787型機(2009年初飛行予定)エアバス350XWB型機(2012年初飛行予定)です。
 
 ーイング社が757/767シリーズに代わる次世代中型機として開発中の787は、767やA300より太い胴体を採用、機体構造の半分を炭素繊維素材等の複合材料で構成、軽量化を果たすと共に燃費がさらに向上した新型エンジンを採用、また機体部品の70%近くを世界各国のサプライヤーから調達しているのも特徴で開発コストの分散と世界の最新技術を多く取り入れることがアピールされています。

 新的な性能を誇る機体は多くの支持を取り付け初飛行前にも関わらず700機近い受注を受けますが、様々なトラブルやストライキなども重なって開発は大幅に遅れており、現在では当初の計画より2年遅れの2009年初飛行、2010年引き渡し開始とアナウンスされています。

 方、エアバス社が開発中のA350XWBは元々A330/A340シリーズの後継機として、A330をベースにA380で用いられた新素材を機体構造に取り入れ787等の次世代機のエンジンを採用することでより経済性を高めた派生型として計画されましたが、787ほどの特徴が見受けられない機体は受注に苦慮、結果、胴体、主翼共全くの新設計として複合素材を多く取り入れた全く新しい、787はもちろん、777にも対抗可能なA350XWB(eXtra Wide Body)として纏められ2006年末に開発に着手しました。

 画の見直しから開発着手が遅れ、出遅れが心配がされましたが787が度重なるトラブルで遅れに遅れていることから実際はあまりかわらず就航できるのではないかとさえ言われており、今後の動向が気になるところです。

ボーイング
787

初飛行:2009年予定

エアバス
A350XWB

初飛行:2012年予定

       

  型機、中型機がボーイングとエアバスという2大メーカーの一騎打ちという様相の中、小型機はボンバルディアとエムブラエルの先行メーカーに加え、新規参入メーカーが多数参加しこちらは混戦となっています。

  行メーカーの2社が70席以上の小型機として開発したのがボンバルディアCRJ700型機(1999年初飛行)エムブラエルE170型機(2002年初飛行)です。
 前者はCRJ100/200の胴体延長型でリアマウント方式に装着した双発エンジンにT字尾翼という構成は変えずに70席級に改めたものでその後90席、そして100席級に改めた拡大型も開発されています。後者はERJ145のさらなる胴体延長が構造的に難しいことから、全くの新設計とされた機体はこのクラスとしては珍しいエンジンを主翼の下に吊る方式を採用、胴体も新設計、フライ・バイ・ワイヤの操縦システムと強力なフラップを持つ機体となりこちらも90席級の拡大型が開発され、人気を集めています。

  抗する新規参入メーカーが開発中なのが、中国の中航商用飛機有限公司(AVICI)ARJ21型機(2008年初飛行)とロシアのスホーイ・スーパージェット100型機(2008年初飛行)、そして三菱MRJ型機(2011年初飛行予定)です。ARJ21はMD−80/90シリーズをライセンス生産した経験をベースにしていることからリアマウント方式の双発機ですがスーパージェットとMRJは主翼下にエンジンを吊った双発機とされており、70〜100席級を意識した機種構成もほぼ同じです。ただ計画時期が最近のMRJは他の競合機には採用されていない複合素材を用いて軽量化を図る等差別化が図られており、この後の競争の行方に注目が集まっています。

ボンバルディア
CRJ700
初飛行:1999年

エンブラエル
E170
初飛行:2002年

AVICI
ARJ21
初飛行:2008年

スホーイ
スーパージェット100
初飛行:2008年

       

三菱航空機
MRJ
初飛行:2011年予定

       
 


双発機の台頭

(1990年代のジェット旅客機)

 


ジェット旅客機のあゆみ

 

 

このページは「旅客機博物館セブンティカラーズ」の一部です。

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