McDonell Douglas MD-90
公開:2005年3月21日
改訂:****年**月**日 |
McDonell Douglas MD-90(JA007D) 日本航空ジャパン/伊丹空港・スカイランドHARADA
MD−80シリーズの基本設計を生かしながら低騒音の<V2500>に換装、搭載量、航続力や機体フレームの耐久性改善、複合素材の導入などが実施された双発旅客機が本機、MD−90です。
■開発の歴史 |
ママクドネルダグラス社では、1980年代、次世代のエンジンとして注目されたプロップファンエンジン(※ターボファンエンジンの後方に大きな後退角をもった幅が広く薄いファンを前後に2列装着しそれを回転させて推力を得るエンジン、当時の高バイパスエンジンより大幅な燃費改善が期待された)をMD−80型機に搭載する案などを検討していましたが肝心のエンジンの開発が進まず頓挫しました。そこで低燃費、低騒音化が図られた新型エンジンで英・米・日・独・伊の5カ国のエンジンメーカーが共同開発したIAE社製<V2500>エンジンを搭載、さらに新たな複合素材の活用や操縦系統のハイテク化をさらに推し進めたMD−90型機案を各航空会社へ提案、デルタ航空が最初の発注先となって開発は正式に開始、1993年2月には最初の機体が初飛行に成功、翌々年の1995年4月に量産型の機体がデルタ航空で路線就航を果たしました。
■特徴 |
本機の特徴はMD−80型機の主要構造を活用しながら新たな技術を取り入れより経済性が高く環境負荷が低い機体を開発した点で、主翼はMD−88型機、垂直安定板はMD−87型機のものを一部変更して流用するなど基本構造はMD−80シリーズのものを受け継いでいますが、胴体長はMD−88型機より主翼前後に1.45m延長、機体構造自体も耐久性の向上や複合素材の導入して軽量化を図っています。さらに低騒音・低燃費を誇る<V2500>エンジンの導入と相まって座席あたりの燃費はMD−80型機の初期型と比較して約17%の改善が期待できるとされます。この他、エンジン制御を完全に自動化されたデジタル式エンジン制御(FADEC)を導入、昇降舵や方向舵は電動制御とされるなど各所にハイテク化が進められアビオニクスやコクピットは既存の機械式計器とCRTを併用した電子飛行計器システムを導入、その他、キャビンもMD−88型機で導入されたものを活用し居住性を向上させています。
■生産と派生型 |
本機は当初、基本型としてMD−87の胴体を使用する10型、胴体を延長した長胴型の30型、エンジン推力を増加させたものを搭載する40型、40型のヨーロッパ域内向けの40EC型が提案されていますが結局、実際に開発されたのは長胴型である30型だけです。さらに案としては30型をベースにエンジン推力を増し、最大離陸重量を増やして航続距離を伸ばした50型や非常口を追加、客室設備を簡素化して最大座席数を200席超へ増した55型等が企画されますが、受注には至らず1997年ボーイング社との合併に伴い本機も整理の対象となって生産は2000年に115機をもって終了しています。
また同社と中国の上海航空機製作所と共同開発で30型をベースに中国の国内線向けにとして主脚を四車輪式として設備の貧弱な中国国内の飛行場でも運航が容易なように設計された30T型があり、こちらは当初20機の製作が予定されていますがこちらもボーイング社への合併に伴い2機を製作した所で生産中止となっています。
■日本のMD−90 |
日本では日本エアシステムが経年化が進むDC−9−41型機の後継機として1990年1月に10機を発注、最初の機体は1996年1月に到着、機体のデザインを映画監督の黒澤明氏に依頼、7種類のレインボーカラーが採用されマスコミの話題となりました。同年3月にはDC−9−81型機の置き換えとしてさらに6機を発注、現在は16機全機が揃って運航されていますが、話題を呼んだレインボーカラーも日本航空との合併で導入された新塗装へ塗り替えられているのは少し寂しいところです。
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