McDonell Douglas MD-81(JA8497)　日本航空ジャパン／伊丹空港・スカイランドＨＡＲＡＤＡ

　「高い信頼性」「簡素」「高い実用性」を実現し短・中距離ジェット旅客機としてベストセラーとなったＤＣ−９型機シリーズをベースに徹底的な改良を加え高い経済性と低騒音化を図ったのが本機、ＭＤ−８１型機です。

　名門ダグラス社がＤＣ−８型機に続く短・中距離路線向け機材として投入したＤＣ−９型機は高い信頼性と実用性を実現し受注を伸ばすと共に航空会社の要求に応じて座席数の増加と胴体の延長を繰り返しその胴体長は全長３１．８ｍ、座席数９０席の１０型（１９６５年２月初飛行）に対し発展型の５０型（１９７４年１２月初飛行）ではそれぞれ４０．２ｍ、座席数１３９席に達しました。ただこうした胴体の単純な延長は限界に達しており、さらなる大型化を目論むマクドネルダグラス社では胴体、主翼を含めた大幅な改良型の開発を企画、あわせて騒音問題を抱えるエンジンを静粛かつ経済性を高めた＜ＪＴ８Ｄ＞の新型を搭載することとして当初８０型と呼ばれた機体は１９７９年１０月に初飛行に成功しました。

　本機の特徴は、まず胴体をそれまで一番長かった５０型と比較して主翼の前に３．８６ｍ、後に０．４８ｍの延長して最大座席数は１７２席とされ、主翼も中央部を１．６０ｍ、翼端部を０．６１ｍ延長したほか、水平尾翼も翼端部を０．５１ｍ延長、さらに高揚力装置にも改善、エンジンも静粛性に優れ燃費も向上したリファン型の＜ＪＴ８Ｄ＞に換装、こうした改善で座席当たりの燃費が２５％程度低くなりました。さらにコクピットにはデジタル計器を採用する等の改良が加えられて引き続き２人乗務が可能となっており、ほぼ同じ座席数のボーイング７２７型機より高い経済性を確保しています。

　本機は当初ＤＣ−９型機シリーズの流れでスーパー８０型と称されていましたが、１９８３年７月、ダグラス伝統のＤＣの名を捨てＭＤ−８０シリーズと称されることとなり現在に至ります。その基本形となるのがＭＤ−８１型機でそれに対し機体外観に変更はないもののエンジンのパワーアップや燃料タンクを増加させ航続距離、最大離陸重量の増加を図った型の開発も進められ１９８１年７月には最大離陸重量６７．８ｔ、航続距離３７９８ｋｍとしたＭＤ−８２型機、１９８４年１２月にはそれぞれ７２．５ｔ、４６３５ｋｍとしたＭＤ−８３型機が登場しました。
　さらに派生型として旧ＤＣ−９シリーズの代替を目指して逆に胴体の短縮すると共にグラスコクピット化を図って性能向上を図ったＭＤ−８７型機やＭＤ−８３型機をベースに前述のＭＤ−８７型機で導入されたＭＤ−８８型機も生み出されますが、こちらは別項で扱うこととします。

　これらを含めた生産機数は９４０機を記録しましたがボーイング社との合併に伴い１９９９年で生産を終了しました。

　日本では東亜国内航空がＤＣ−９−４１型機に続き国内ローカル線を担う機材としてＤＣ−９スーパー８０型機の導入を開始、合計２６機が導入されました。このうち１９８１年から導入された８機は訓練の都合からＤＣ−９−４１型機と同じコクピットとされた型をＤＣ−９−８１型機、コクピット、エンジンをシリーズ最新のものとして１９８５年から導入された型をＭＤ−８１型機と区別され呼ばれていましたが、後継機となるＭＤ−９０型機の導入が軌道に乗った１９９９年には前者の８機全てが退役、現在残っている１８機全てはＭＤ−８１型機と称されているものです。

　１９９８年からは一部の機体が九州地方での運航会社として設立されたハーレクインエアとの共同事業機として運航されていましたが、日本航空との合併に伴う組織の見直しが図られ運航を終了、それにかわり２００５年４月からはＪＡＬエクスプレスが一部機体の運航を行っています。

マクドネルダグラスＭＤ−８１　諸元 日本航空ジャパン　マクドネルダグラスＭＤ−８１
項目	データ
全長：	４５．０６ｍ
全幅：	３２．０６ｍ
全高：	９．０４ｍ
最大離陸重量：	６４．０ｔ
エンジン：	プラット＆ホイットニー＜ＪＴ８Ｄ−２１７Ａ＞ 推力９，０７０ｋｇ×２基
巡航速度：	８１５ｋｍ
航続距離：	２７４０ｋｍ
乗員／乗客：	２人／１６３人
展示室 当館で展示しておりますマクドネルダグラスＭＤ−８１型機についてご案内しております。
日本航空 （旧日本エアシステム） ＭＤ−８１型／１８機運航中（１９８５〜） マクドネルダグラスＭＤ−８１ （ＪＡ８２６０） 旧塗装・ＪＡノＬロゴ付 マクドネルダグラスＭＤ−８１ （ＪＡ８４９６） 新塗装 ＪＡＬエクスプレス ＭＤ−８１型／５機（共同事業機） マクドネルダグラスＭＤ−８１ （ＪＡ８５５６） 　 ハーレクインエア ＭＤ−８１型／２００５．３移籍 マクドネルダグラスＭＤ−８１ （ＪＡ８５５２） ＪＡノＬロゴ付