ボンバルディア DHC−8−100/−200
BOMBARDIER DHC-8-100/-200
公開:2005年1月30日
改訂:****年**月**日


BOMBARDIER DHC-8-Q103(JA8974)
琉球エアコミューター/那覇空港(展望デッキ)


 デハビランドカナダ社が前作の50席級四発旅客機DHC−7型機をベースに短胴・双発化したターボプロップ旅客機が本機、DHC−8−100/−200型機です。

■開発の歴史

 機を開発したデハビランドカナダ社は、第一次世界大戦から第二次大戦、そして戦後に渡り数々の軍用機・旅客機を送り出したイギリスの航空機メーカーの老舗デハビランド社のカナダ部門として、第二次世界大戦後の1949年に単発レシプロ機DHC−1「チップマンク」を開発、それを皮切りに日本の南極観測でも使用された単発レシプロ輸送機のDHC−2「ビーバー」型機や14席級の単発レシプロ輸送機で日東航空で導入されたDHC−3「オッター」型機、南西航空(当時)やエア北海道等の離島空路を支えた20席級の双発ターボプロップ輸送機のDHC−6「ツインオッター」型機等日本でもお馴染みとなる数々の輸送機開発を手掛けていました。

 975年には需要の高まりつつあったコミューター機用機材として優れた離着陸性能と共に都市部での環境問題に対応して静粛性を高めた50席級の四発ターボプロップ旅客機であるDHC−7型機を就航させ、これに続き1979年にはDHC−6「ツインオッター」型機とのギャップを埋める機体として同機をベースとして小型・双発化を図った30席級の新型機の開発を発表、その後DHC−8型機と付けられた機体は1983年6月に初飛行を果たしました。

 おデハビランドカナダ社はその後ボーイング社の傘下に入った後、1997年にカナダの重工業グループでカナデア社やショート社等を傘下に置くボンバルディア社に買収されたため以後は本稿の製造メーカーとしてはボンバルディア社としています。

■特徴

 機の特徴は、先に開発したDHC−7型機をベースとして基本構造をあわせながら最適化が図られていることで胴体太さや高翼、T字尾翼などの基本構造は同機を受け継ぎながら胴体を約2.2m短縮し座席数を36席とし、主翼は双発化にあわせて小型化された新設計の主翼に変更されましたが短距離離発着性能を保証する翼幅80%に渡るフラップ等は健在で脚部をエンジンナセル内に収納するのも前作の構造を引き継いでいます。
 またエンジンから減速装置を介して回転速度を低減させてプロペラを回し、エンジンの排気を機体上部に逃がす、という静粛性への配慮も前作からの構造を引き継いでいます。他に複合素材や軽金属をふんだんに取り入れ軽量化が図られている点もそのままです。

■生産と派生型

 機が登場した1980年代初頭は地方都市間などの短距離を数十人乗りの小型航空機により定期的に運航するいわゆるコミューター航空が拡大しこのクラスの機体の需要が急増した時期であったためまだ初飛行を済ませていない段階で100機以上の発注を獲得、P&W製<PW120>(1800軸馬力)を搭載した最初の量産型である100型は1984年10月に路線就航を果たしその後エンジンをP&W製<PW120A>(2000軸馬力)に換装した100A型や同じく<PW121A>(2150軸馬力)を搭載する100B型等が生み出されました。

 995年には後述する300型に搭載された<PW123>(2340軸馬力)を装備して高温高地での運航に離発着性能を高めた200型が登場、出力を26℃まで発揮可能な200A型や同じく45℃まで発揮可能な200B型が派生型として登場しています。

 らに本機をベースにした長胴型の300型やさらに長胴化を図ると共に大幅に機体・システムの刷新を図った400型がありますがこちらは別項で扱います。

■日本のダッシュエイト(1)

 本ではまず琉球エアコミューターが那覇を拠点とした離島線に投入していたDHC−6「ツインオッター」型機の老朽化に伴いその後継機として100型を選定、1997年から4機を導入、続いて天草空港開港にあわせて設立された天草エアラインが唯一の使用機材として同じく100型を選定して1999年に1機を導入、さらに長崎航空から改称したオリエンタルエアブリッジが収益性向上を図る経営再建の切り札としてとして200型を選定、2001年に2機を導入しています。

ボンバルディア(デハビランドカナダ) DHC−8−100 諸元
(1)琉球エアコミューター DHC−8−Q103
(2)オリエンタルエアブリッジ DHC−8−Q201
項目 データ
全長:22.25m
全幅:25.91m
全高:7.49m
最大離陸重量: (1)14.97t
(2)16.47t
エンジン: (1)プラット&ホイットニー<PW120>
2000軸馬力×2基
(2)プラット&ホイットニー<PW123C>
2000軸馬力×2基
巡航速度: (1)465km
(2)537km
航続距離:1889km
乗員/乗客:2人/39人
展示室
当館で展示しておりますYS−11型機についてご案内しております。
琉球エアコミューター
100型/4機運航中(1997〜)
天草エアーライン
100型/1機運航中(1999〜)

琉球エアコミューター
DHC-8-Q103(JA8973)

天草エアーライン
DHC-8-Q103(JA81AM)
オリエンタルエアブリッジ
200型/2機運航中(2001〜)
 
 

オリエンタルエアブリッジ
DHC-8-201(JA80*B)
  


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