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デ・ハビランドカナダ DHC−6 ツインオッター
DE HAVILLAND CANADA DHC-6 TWIN OTTER
公開:2006年3月6日
改訂:****年**月**日


DE HAVILLAND CANADA DHC-6-300 TWIN OTTER(JA8797)
エアー北海道/函館空港(高松展望広場)


 デ・ハビランドカナダ社が単発レシプロ輸送機DHC−3をベースに双発、ターボプロップエンジン化を図ると共に輸送力を強化した双発ターボプロップ旅客機が本機、DHC−6ツインオッター型機です。

■開発の歴史

 機を開発したデ・ハビランドカナダ社は、第一次世界大戦から第二次大戦、そして戦後に渡り数々の軍用機・旅客機を送り出したイギリスの航空機メーカーの老舗デハビランド社のカナダ部門として、1949年に単発レシプロ機DHC−1チップマンクを開発、その後日本の南極観測でも使用されたDHC−2ビーバー型機や、14席級に拡大、日本でも日東航空(現日本航空)で使用されたDHC−3オッター型機などの単発レシプロ輸送機、整備の悪い前線滑走路での輸送支援に従事する双発レシプロ輸送機DHC−4カリブー型機、そして同機を大型化しターボプロップエンジン化したDHC−5バッファロー型機といった軍用輸送機など比較的小型のプロペラ輸送機メーカーとして一定の地位を占めるに至りました。

 の同社が1960年から開発を開始したのが本機で、単発レシプロ輸送機DHC−3オッター型機をベースに胴体を延長すると共にエンジンを軽量強力なターボプロップエンジン化すると同時に双発化した機体案を発表、DHC−6、愛称をオッター(かわうそ)の双発型という意味を込めてツインオッターと名付けられた機体は1965年5月に初飛行を果たしました。

■特徴

 ースとなったDHC−3オッター型機から支柱付の高翼式の主翼や、テーパーのない直線翼、頑丈な固定脚といった機体の構造は引き継ぎつつ、単発だったエンジンも双発化すると同時にレシプロエンジンから軽量で強力なターボプロップエンジンに換装、空いた機首部には航法用のレーダーを装備した他、機体を3mほど延長、座席数を20席まで設定可能とし、主翼も大型化にあわせて2m以上延長、着陸装置も固定脚の構造はそのままですが前作が尾輪式だったのに対し前車輪式に改め、垂直尾翼も外形が曲線から直線的に見直されると同時に後退角がつけられるなど細かな点で変更がみられます。

 れらの改良を加えながらも最大離陸重量であっても離陸距離はわずか400mという短距離離陸性能を保持、頑丈さと信頼性、そして大きな搭載能力を有することから山岳や離島を結ぶ僻地路線には欠かせない機体となりました。

■生産と派生型

 機の本格的な最初の量産型である100型はプラット&ホイットニー(P&W)社製の<PT−6A−6>(579軸馬力)を2基搭載した型で1965〜68年の間に115機が製造されました。続いて登場したのが200型でこのタイプは機首をさらに伸ばしてできたスペースを手荷物室としたもので1968〜1969年にかけ115機が製造されました。
 そして最終生産型となったのが300型でこの型ではエンジンを強化型の<PT−6A−27>(652軸馬力)に換装、最大離陸重量も増加、あわせて座席数も22席まで設定できるようになっています。この型は1969年の生産開始以来、量産が続けられ1980年代に入って若干ペースは落ちたものの僻地路線向け、そして軍用機等としての需要は続き最終的は1988年までに614機が生産され、シリーズ全体では844機が送り出された大ベストセラーとなりました。

 なみに本機の中にはフロートを装備した水上機型やスキーを装備した雪上機型などもあります。

■日本のツインオッター

 本ではまず南西航空(現日本トランスオーシャン航空)が日本の航空法適用でYS−11型機の運航ができなくなった沖縄の離島路線向けに本機を導入を決定、1973年12月から石垣〜与那国線に就航、続いて離島・辺地への航空輸送確保を目的に設立された日本近距離航空(現エアーニッポン)も導入を開始、1974年8月から丘珠〜稚内〜利尻線と新潟〜佐渡線に就航、 最盛期には南西航空4機、日本近距離航空2機の計6機が活躍しました。

 かし、就航から20年が経過して老朽化が進んできたこと、地方空港の整備が進みより大きな機体の発着が可能となり、また空の足が普及し輸送力も不足していたことなどを理由にまず日本トランスオーシャン航空から離島路線を引き継いだ琉球エアコミューターが後継となるDHC−8−100型機の導入にあわせて退役を進めて2002年までに全機が退役しました。

 方、エアーニッポンから北海道の離島路線を引き継いだエアー北海道で活躍する2機もやはり老朽化が進み、利尻空港の拡張でより大型の機材が就航可能となったことから1機が先に退役、残る1機が日本の離島路線を支えたツインオッター最後の空路、函館〜奥尻線で活躍を続けていましたが奥尻空港も拡張工事が完了する2006年3月でその運航にピリオドが打たれることとなり、現在最後の1機(JA8797)には「さよならツインオッター」のロゴが掲示され最後の活躍を続けています。

デ・ハビランドカナダ DHC−6 ツインオッター 諸元
エアー北海道 DHC−6−300
項目 データ
全長:15.77m
全幅:19.81m
全高:5.94m
最大離陸重量: 5.67t
エンジン: プラット&ホイットニー<PT−6A−27>
652軸馬力×2基
巡航速度: 286km
航続距離:1278km
乗員/乗客:2人/19人
展示室
当館で展示しておりますYS−11型機についてご案内しております。
エアー北海道
300型/1機運航中(1974〜2006予)

デ・ハビランドDHC−6−300
(JA8797)
2005.12.23 函館
  


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