ボーイング 777−300
BOEING 777-300
公開:2005年10月3日
改訂:****年**月**日


BOEING 777-381(JA754A) 全日空/伊丹空港(千里川)


 最新鋭技術を多く盛り込んだ300席超級の777型機のファミリー化の一環として200型の重量増加型をベースに胴体を延長、双発機としては空前の最大550席を配置することができる登場当時ジャンボを上回って世界最長となったワイドボディ旅客機が本機、ボーイング777−300型機です。

■開発の歴史

 ーイング社では777型機の開発にあたって、標準型の重量増加型とそれをベースに胴体を延長して大型化を図った機体のファミリー化の構想をもっていて、水面下で各航空会社へその開発を打診、前後に10m以上延長され客席数は3クラスで368席、モノクラス設定の場合最大550席を配置することが可能な機体は300型という型式名が与えられ本機の標準型である200型が初飛行した翌年の1995年のパリ航空ショーの場で全日空他4社が発注の意向を示していることを発表、6月に開発が正式に承認され、1997年10月に初飛行に成功を果たしました。

■特徴

 00型からの大きな変更点はなんといっても胴体の長さで主翼の前方側に5.33m、後方側に4.80mの計10.13m延長され結果、全長は73.9mに達します。これは巨人機の代名詞ジャンボこと747型機70.7mを越える当時世界最長で、これにあわせて胴体へ両側面にドアが追加された他、引き起こしの際に尾部を擦る可能性に考慮して引き込み式のテイル・スキッドを追加されています。この他、重量増加にあわせて機体の各所に補強が加えられています。
 この長い胴体にメーカーの標準仕様では3クラスで368席、2クラスで479席と提示されていますが航空会社の要望に応じてトイレやギャレーの配置を柔軟に変更可能となっているのは777型機共通の構造で高需要路線向けに座席を標準の横9列(2−5−2)から横10列(3−4−3)に変更した場合、扉の数による制約を勘案しても550席配置可能で実際一例をあげると全日空の国内線仕様機はかつての主力747SR型機(456席)の座席数を上回る2クラス524席で運航しています。

 大離陸重量が250t、最大300t近くを想定している本機のエンジンは基本的には200型と共通でいずれも40t級の推力を有するプラット・アンド・ホイットニー社のPW4000シリーズ、ジェネラルエレクトリック社のGE90シリーズ、ロールスロイス社のトレント800シリーズの中から選択が可能となっています。

■生産と派生型

 00型に次いで登場した300型はメーカーの提示する航続距離は11029kmとそれなりに長距離の運航が可能ですがより長い路線向けに最大離陸重量を増加させて燃料搭載量を増やした超長距離型が計画されました。変更内容は200型→200ER型よりも大規模でまず主翼端には主翼端をやや上向きに後方に伸ばしたレイクド・ウィンドチップと呼ばれる翼が装着されています。これは747−400型機で誘導抵抗の減少して巡航性能の向上をもたらすとして導入されたウィングレットに比べて構造が簡素でまた装着が容易な上に重量増加も少ないというものでボーイング767−400ER型機で初めて導入され、その後777−200LR型機でも導入されています。

 の他、最大離陸重量が350t近いことが予想される機体を支える2基のエンジンもこれまでの777型で開発されたものでは不足で結果、推力が民間機向けとしては世界最強の50t級の推力を有するジェネラルエレクトリック社製<GE90−115>が採用されました。それまでの777シリーズで採用されたものより一回り大きい直径3.56mという巨大なエンジンは52t(11万5000ポンド)もの推力を誇り、これは現行の747−400型機のエンジン(約25t)のさらに倍の力を持ちます。ちなみにこのエンジンについては需要予測と巨額の開発費のバランスを考慮した結果、<GE90>の単独採用となっています、

 うした開発の結果、登場した300ER型は長さや高さは300型と同一ながら幅は約4m伸びて64.8m、最大離陸重量は340t、航続距離は16400kmにも達する機体となった機体は2003年2月に初飛行、翌年4月には最初の機体がエールフランスへ納入されました。

■日本の777(2)

 本では全日空が経年化した747SR型機の後継機として300型の導入を1998年から開始、座席数477席(現在はさらに増加して524席)の仕様でエンジンについては<PW4090>を採用、現在までに7機を導入し国内幹線に投入している他、さっらに3機を発注済みです。
 また国際線用機材としても300ER型の導入を決定、エンジンにはそれまでのP&W製ではなくジェネラルエレクトリック製の<GE90−115>を採用、2004年10月に最初の機体を受領、当初は習熟を含めてアジア方面に就航していましたが2機目を受領したことから現在は本来の長距離国際線として北米線に就航、さらに7機が発注されています。(2005年9月現在)

 方、日本航空も経年化した747在来型の後継機として最大座席数470席を誇る長胴型の300型の発注を決定、1998年8月から路線就航した本機には「スタージェット」として「レグルス」「スピカ」といった愛称が名付けられマーキング塗装が施工されており1998〜99年に5機を導入、追加導入の2機も加わって現在7機が運航中でさらに1機が発注済みです。 (2005年9月現在)。
 なおエンジンカウルに描かれた「スタージェット」のロゴやコクピット後方に描かれた愛称に関わるロゴは新塗装への切り替えにあわせて消されています。
 さらに国際線機材としてもボーイング747在来型の後継機としても300型の長距離型である300ER型を選定、ボーイング社にローンチカスタマー(メーカーの開発案に対しまとまった発注を与え開発決定のきっかけを与えるユーザー)として発注、2004年から導入を開始し現在までに4機を導入し、現行4機が発注済みとなっています。(2005年9月現在)

ボーイング777−300 諸元
(1)全日空 ボーイング777−381
(2)日本航空 ボーイング777−346ER
特記のないものは共通
項目 データ
全長:73.86m
全幅:64.80m
全高:18.58m
最大離陸重量:(1)240.1t
(2)340.2t
エンジン:(1)プラット&ホイットニー<PW4090>
推力40,910kg×2基
(2)ジェネラルエレクトリック<GE90−115>
推力52,160kg×2基
巡航速度:(1)890km
(2)905km
航続距離:(1)4500km
(2)12600km
乗員/乗客:(1)2人/525人
(2)2人/292人
展示室
当館で展示しておりますボーイング777−300型機についてご案内しております。
全日空
300型/7機運航中(1998〜)
300ER型/2機運航中(2004〜)

ボーイング777−300
(BOEING 777-381/JA754A)

ボーイング777−300
(BOEING 777-381/JA756A)
ANA新ロゴ

ボーイング777−300ER
(BOEING 777-381ER/JA732A)
  
日本航空
300型/7機運航中(1998〜)
300ER型/4機運航中(2004〜)

ボーイング777−300
(BOEING 777-346/JA8944)

ボーイング777−300
(BOEING 777-346/JA8943)
新塗装

ボーイング777−300ER
(BOEING 777-346ER/JA731J)
 


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