BOEING 777-200
公開:2005年8月13日
改訂:****年**月**日 |
BOEING 777-281(JA8969) 全日空/伊丹空港(千里川)
200席級の767型機と400席超級の747型機と間を埋める機体として、ボーイング社製旅客機として初めてフライ・バイ・ワイヤ(FBW)を採用するなど最新技術を盛り込んだ300席超級の双発ワイドボディ旅客機が本機、ボーイング777−200型機です。
■開発の歴史 |
ボーイング社は1980年代、当時最新のハイテク技術を盛り込んだ250席級の双発機である767型機と500席級の四発機747−400型機を開発しますが、その間の座席数のギャップは埋められないままでそこにエアバス社はA330/A340型機、マクドネルダグラス社がMD−11型機といった具合に続々新型機開発を発表、安穏としていられなくなったことから767シリーズの発展型である767−X型機が計画されました。
計画は767型機をベースに747−400型機で取り入れたハイテク技術を盛り込み座席数の増加を図った発展拡大型という位置づけでしたが、先行するエアバス社の機体がA320型機で取り入れられたフライ・バイ・ワイヤ(FBW)を採用するなど最新の技術が取り入れられた新世代機であることが判明、航空会社からは767型機の焼き直しではない最新技術を用いた新設計の旅客機を求める声が強くなり、結果主翼、胴体形状、操縦系等を新たに開発する完全な新設計機に見直され、1990年10月、ユナイテッド航空がローンチカスタマーとなって正式に開発が開始され777型機という名称が与えられた機体は1994年6月に初飛行を果たしました。
■特徴 |
新たに開発された本機の特徴はまず最新の技術を取り入れた操縦系統でボーイング社製旅客機として初めてコンピューター制御のフライ・バイ・ワイヤ(FBW)を採用したことですがエアバス社が同技術を取り入れた機体の操縦装置にサイドスティック方式を採用したのに対し、本機は従来の操縦輪と方向舵ペダルのスタイルを踏襲、好対照を示しています。コクピットも767〜747−400型機で採用されたグラスコクピットをさらに発展させ、一例を挙げると表示装置を従来のCRTからLCDによる6面のフラットパネルとされ省スペース化、省電力化が図られています。
主翼も新設計で1/4翼弦で31.6度の後退角が与えられた主翼は60.93mとされ、高アスペクト比が与えられ高い巡航性能をもたらしています。なお747在来型より長い主翼を採用した本機は駐機スペースが危惧され、対策として主翼の翼端から6mを折り畳める機構を設け、折り畳んだ場合の幅を47.29mとして767型機より小さくできるようにできるようオプションが用意されていますが重量増加や機構が複雑になることから敬遠され現在までに採用例はありません。
主翼と並んで外観上の特徴となっているのが太い胴体で直径6.20mの円形断面を持つ本機では通路2本で設けて横9列(2−5−2)を配置することができますが高需要路線では747型機と同じ横10列(3−4−3)配置も可能です。またこの巨体を支える主脚には補助脚等を設けずにボーイング社として初の6車輪式の主脚を採用しています。
最大離陸重量が250トンを越える巨大双発機を空に浮かべるには既存のエンジンでは出力不足となるため本機開発にあたってプラット・アンド・ホイットニー社はPW4000シリーズ、ジェネラルエレクトリック社はGE90シリーズ、ロールスロイス社はトレント800シリーズをそれぞれ新たに開発、ファンブレードの直径がもっとも大きなもので3mを越えエンジンカウルの直径はボーイング737型機の胴体径に匹敵する巨大エンジンは40トン近い推力を発揮、これは747在来型に搭載されている<JT9D>の推力(約20トン)のほぼ倍の推力を発揮しており、なおかつ低燃費で窒素酸化物排出量は低く抑えられています。
また本機開発にあたっては納入後すぐ路線投入が可能になるようにする「サービスレディ」の考え方が取り入れられエンジンについても徹底的なテストが実施され、結果就航当初からほとんどの洋上空路が飛行可能な180分のETOPS(Extended Twin Engine Operation)の取得が行われています。
なお本機は767型に次ぐ国際共同開発機であり、その生産には日本の航空機メーカーが深く関わっており胴体パネルや主翼部品、ドアなど767型機より多い全体の21%を担当しています。
■生産と派生型 |
777型機は開発当初から離陸重量増加型や胴体延長型といったファミリー化する構想が立てられ最初に開発された200型の場合、Aマーケット型とBマーケット型の2種類を計画、これらは外観や貨客搭載スペースは同じで最大離陸重量と燃料搭載量が異なるもので前者の場合、最大離陸重量が229〜242t、航続距離は7500〜9000kmの中距離路線向けの仕様であるのに対し、後者は263〜267tで最大離陸重量は11700〜12200kmという長距離路線向けの仕様でそれぞれ200型、、200ER型と名付けられると共にその後もエンジンの変更等により最大離陸重量が増え航続距離が伸びたタイプが開発されています
さらにボーイング社では超長距離路線向けとして200LR型を計画、これは最大離陸重量を322tとして燃料搭載量をさらに増加させたもので航続距離は旅客機としては世界最長の17400kmというもので、これは旅客・貨物満載状態でシンガポールとアメリカ東海岸のニューヨークまでをノンストップで運航できるというずば抜けた野心作でしたがテロ事件に伴う航空需要の急速な冷え込みで一時開発は停止に追い込まれましたが、2004年に開発が再開され2005年3月に初飛行を果たし予定では2006年に最初の発注先であるパキスタン航空へと引き渡される予定です。
なお本型では主翼端に767−400型機で用いられ300ER型でも採用されたレイクド・ウィンドチップが取り付けられていることから判別が可能です。
■日本の777(1) |
日本では全日空がトライスターの後継機、そしてボーイング747型機と767型機の間を埋める400席級の国内幹線・中距離国際線用機材として確定15機とオプション10機を1990年12月に発注、1995年10月に200型の初号機が引き渡され同年末から路線就役を果たし、1995〜98年の間に12機を導入して国内幹線のみならず中国・アジア方面など国際線にも投入、さらに1999年からは200ER型機も4機を導入し長距離路線へ就航している他、2004年度以降200型4機を追加導入して現在200型16機、200ER型4機の合計20機を運航しています。(2005年8月現在) 。
一方、日本航空グループでは日本航空が1991年10月、経年化した747在来型やDC−10型機の後継機となる400席クラス級の国内線用機材として新技術の採用により優れた安全性、経済性、快適性が評価されマクドネルダグラス社やエアバス社の競合機を破って777型機10機の確定発注と10機をオプション発注を発表、200型の初号機は1996年2月に引き渡され、1996〜97年に5機を導入、2004年以降2機が加わり200型については現在までに7機を導入、さらに2000年12月には経営合理化に伴う運航機種削減の一環で中・長距離国際線機材として運航していたMD−11型機の後継機として長距離型の200ER型8機の導入を決定、2002年以降順次導入され追加発注分を含めて現在までに10機を導入しています。
さらに、日本エアシステムも国内幹線向け機材として1993年6月に中距離型である200型7機を発注、最初の機体は1996年12月に導入、機体のデザインはインターネットで広く募集されたデザインをまとった機体は「レインボーセブン」の愛称が与えられ、国内線の機材として初めて個人用テレビを装備した初の3クラス仕様機として活躍しますが日本航空との合併に伴い導入された新塗装に順次塗り替えられています。
これらを含め日本航空グループとしての200型7機(後述)を含めると200型14機、200ER型10機の合計24機を運航中です。(2005年8月現在)
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