BOEING 767-300
公開:2004年12月6日
改訂:2005年4月7日 |
BOEING 767-381(JA8258) 全日空/伊丹空港(千里川)
ハイテク技術を駆使して200席級機材として初の2人乗務機となった767型機のキャパシティ増加を求める航空会社の要望に応じ200型を主翼の前後で約6m延長したのが本機、ボーイング767−300型機です。
■開発の歴史 |
新技術を駆使した次世代の200席級旅客機として登場した767型機は好評をもって迎えられましたが、航空旅客の拡大に伴いよりキャパシティの大きな機体を求められるようになり、ボーイング社では胴体延長型の開発を計画、最大離陸重量を200ER型と同じとして胴体を主翼の前方に3.07m、後方に3.35m、合計6.42m延長した300型として公表、1983年9月には日本航空から最初の発注を得て正式に開発が着手、1986年1月30日に初飛行を果たし、同年9月から引き渡しが開始されました。
■特徴 |
200型をベースに胴体を延長した300型は胴体断面や主翼、操縦系等はほとんど200型と共通ですが、最大離陸重量が増大したことに合わせて主翼や胴体、脚部を補強したこと、尾部に尻餅防止のテイルスキッドを追加したこと、胴体面に新たに非常口を追加したこと等細かい修正が加えられています。
■生産と派生型 |
300型機も200型同様、P&W製<JT9D>とGE製<CF6>、RR製<RB211>を選択でき、日本航空が最初に発注した<JT9D>装備型は1986年9月、デルタ航空や全日空が発注した<CF6>装備型は1986年11月から引き渡しが開始され、さらに200型で発注のなかったRR製<RB211>装備型も英国航空が発注を得て1989年5月に初飛行を実施した後、翌年2月から引き渡しが開始されています。
200型同様、派生型の開発も考慮され、まず最大離陸重量を引き上げた分燃料搭載量を増加させる一方、消火設備などの充実を図った航続距離の延長を図った300ER(Extended Range)型の開発に着手、1986年12月には初飛行に成功、最初の発注先であるアメリカン航空には1988年2月に引き渡され、双発機の洋上飛行条件についてエンジン、機体双方のの信頼性向上で安全に支障が少なくなってきたことから制限が大幅に緩和されてきたことを追い風に受注を拡大していました。
さらにユナイテッド・パーセルサービス(UPS)の発注で200型では開発されなかった純貨物型である300F型の開発にも着手、1995年5月に初飛行し、同年中に同社へと引き渡されています。
これらを含めた生産機数は600機以上を記録、300型の生産は終了し現在は300ER型のみ生産が続けされていますがこのクラスのベストセラーとなった本機も後継機となる7E7型機の開発が発表されたこともあり、受注が減った757型機は生産終了となっており、今後については200型と同様、軍用機向けになるのではないかと予想されます。
■日本の767(2) |
日本では前述の通り、日本航空が最初の300型発注ユーザーであり、航空旅客の拡大に伴いボーイング727型機や737型機、ダグラスDC−8型機では飽和状態にあった国内支線の主力機材として1986年以来、系列の日本アジア航空発注分を含めて1999年までの13年間に22機を導入、その間にエンジンはボーイング747型機の在来型と共通の<JT9D>シリーズの生産が終了したことからボーイング747−400型機と共通の<CF6>へと変更したり、海外旅行人口の拡大に伴い短距離国際線での運航に応じた仕様へ変更する等、導入時期により仕様が若干違います。
さらに2002年からはDC−10型機やMD−11型機などが活躍していた中・長距離国際線向けの三発機の後継機として300ER型の導入も開始、12機が導入される予定です。(2004年11月現在)
一方、全日空は200型の大量発注に続き300型も国内線の主力機材として1985年12月に確定15機、オプション10機の発注を決定、1987年から高需要の国内ローカル線への導入が開始されさらに2クラス仕様機も導入、近距離国際線への投入も行われました。
1989年6月には300ER型機の受領も開始、3クラスの本格的な国際線仕様とされた機体は東南アジア方面の中距離国際線へ投入、さらに双発機の洋上飛行条件に対する一段の緩和で1990年代後半からはホノルル線等の長距離線にも導入しています。さらに増え続けるアジア方面への航空貨物需要に応じて日本貨物航空と共同で300ERF型機の導入も決定、2002年に最初の機体を導入しました。
結果、全日空は300型(32機)、300ER型(17機)、300ERF型(1機)含めて50機を保有、世界最大級の767ユーザーとなりました。
この他、新規参入を果たしたスカイマークエアラインズと北海道国際航空(エア・ドゥ)も生産機数が多くリースが容易でキャパシティも十分という理由から300ER型機の導入を決定、スカイマークは現在までに6機を導入しており、エア・ドゥも2機を導入、さらに函館線就航にあたっては300型を全日空より1機リースを受け導入しています。
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