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ボーイング 767−200
BOEING 767-200
最終更新:2006年10月22日


BOEING 767-246(JA8233) 日本航空/中部国際空港(展望デッキ)


 先進のエレクトロニクス技術を駆使し200席クラス以上の旅客機として初めて2名での運航を可能としてハイテク旅客機の先駆けとなった双発ジェット旅客機が本機、ボーイング767−200です。

■開発の歴史

 ーイング社は707型機や727型機(180人乗り)と巨人機747型機(360人乗り)の中間に位置するいわゆるエアバス機としてダグラスDC−10型機やロッキードL−1011型機が受注数を伸ばしていくことに危機感を覚え1960年代後半から同規模のエアバス機の開発に着手、途中オイルショックや不況、環境問題、さらには顧客からの様々な要望に揺り動かされエンジンや胴体、エンジン搭載方法等様々な案が出されては消えを繰り返しますが、1970年代後半になってようやく胴体径をワイドボディ機をやや小さいセミワイドボディと呼ばれる標準7列として座席数を180〜200席級とした双発機767型機の案が固まり、1978年ユナイテッド航空から30機を受注し開発に着手、1981年9月に最初の機体が初飛行を果たしました。

 なみにこの他、一部顧客向けの要望に応えてナローボディ機とした160〜180席級の同じく双発の757型機と767型機を三発機化した中長距離型の777型機も同時期に提案し、757型機については後に開発に着手しますが777型機は受注を得られず開発は行われなかったため、後に登場する777型機とは直接は何の関係ありません。

■特徴

 画段階で紆余曲折を経た767型機ですが、機体の外観は新型機としては比較的オーソドックスな双発機ではあるものの機体の素材に疲労強度が高く耐蝕性にも優れた新しいアルミ合金が用いられ、さらに複合素材を補助翼やスポイラー、昇降舵や方向舵、さらにエンジンのカウリング、内装など広範に取り入れ重量軽減を図られています。
 胴体径はナローボディとワイドボディの中間に位置するセミワイドボディを採用、座席配置的には2本の通路を挟んで2−3−2の座席配置が標準となっており通路側でも窓側でもない「ミドルマンの悲劇」の可能性が低くなるように設計されて旅客には好評ですが、その一方、中途半端な胴体径なため床下貨物室には標準的なLD3コンテナが1列しか入らないという欠点も持ち合わせています。

 かし本機の最大の特徴は、旅客機として初めて本格的なグラス・コクピット化を採用したことで、コクピットには最新鋭のデジタル・アビオニクスを投入し、計器類を既存のアナログ式計器から6つのCRT(カラーディスプレイ)に集中表示する方式に改め、また同時にシステム類の統合や監視の自動化も推進、このクラスの機体としては初めて2人乗務が可能として高い経済性を実現しています。

 の他、ボーイング社の機体として本格的な国際共同開発機であり、その生産にはイタリアのアレニア社のほか、日本の航空メーカーも加わっており、胴体や扉、主翼の各部品開発を担当、全体でアメリカ70%、日本とイタリアがそれぞれ15%ずつを分担されています。

■生産と派生型

 67型機は当初180席級の100型と200席級の200型が提案されますが100型機は同時期に開発が進められていた757型機と重複されることから結局、200型のみの開発とされエンジンはプラットアンドホイットニー(P&W)製<JT9D>とジェネラルエレクトリック(GE)製<CF6>、ロールスロイス(RR)製<RB211>の3つから選択できるようになっており、<JT9D>装備のモデルは1981年9月、<CF6>装備のモデルは1982年9月に初飛行しますがRR製エンジンを選択するユーザーはなくその後選択肢から外されています。

 た767型機は最初から派生型の開発が考慮されており、1982年末にはエンジンの信頼性向上で双発機の洋上飛行条件が緩和されることを追い風に200型をベースとして最大離陸重量を引き上げその分燃料搭載量を増加させると同時に消火設備を強化して航続距離の延長を図った200ER(Extended Range)型の開発に着手、1984年3月に初飛行し同月中にイスラエルのエルアル航空へ納入されています。
 これらを含めた生産機数は標準型の200型は1994年、128機で生産を終了、現在は200ER型のみの生産となっていて現在までに109機が生産されています。ただ今後について旅客型の発注は望み薄で、航空自衛隊が導入した早期警戒機型のE−767型機や発注済みの給油機型のKC−767型機といった軍用機の母体として生産が中心になると思われます。

■日本の767(1)

 本では全日空が1979年10月に当時の主力機ボーイング727や737の後継機に選定、翌年4月には200型25機を一気に発注、1983年4月に最初の機体を受領、双発にもかかわらず三発の727より50席以上も座席数が多く、なおかつ低騒音、低燃費のエンジンを搭載して経済性が高い本機は国内ローカル線の主力機材として活躍、その後発展型である300型シリーズを大量発注し世界最大級の767ユーザーとなる礎となりましたが、経年化や経営戦略の見直しに伴いアメリカの貨物エアラインエアボーン・エクスプレスへと売却が開始され2004年3月に最後の機体が全日空を去りました。(リース機を除く)
 ちなみに今ではお馴染みとなった全日空のトリトンブルー塗装は本機導入に合わせて採用されたものです。

 方、日本航空が本機導入を決めたのは1983年9月、近距離国際線で活躍していたダグラスDC−8型の後継機という位置づけで当初は200型4機や200ER型2機の導入を予定していましたおり、200型については1985年に相次いで3機が導入されますが、結局導入されたのはこれらの3機のみで200ER型が導入されることはありませんでした。これらは主にセントレアや福岡発着の近距離国際線に就航していますが時には国内ローカル線にも就航、現在も活躍中です。

 の他、全日空で活躍していた2機が新規参入航空会社のスカイマークエアラインズと北海道国際航空(エア・ドゥ)へ同社が運航していた路線を引き継ぐ際の機材として本機がそれぞれ1機ずつリースされ前者は羽田〜徳島・青森線、後者は羽田〜旭川線を主に投入され活躍しましたが、いずれもリース期間満了に伴い返却されました。

 客機としては退役が続き少々寂しい状態となっている本機ですが、文中でも触れましたが航空自衛隊が防空体制強化のために1998年から導入を開始した早期警戒機E−767型機は200ER型をベースとしており、胴体上部に円盤状のロートドーム、窓がない機体には各種電子機器や管制装置が満載された機体はこれまでに4機が導入され浜松基地の第601飛行隊に配備されています。またこの他にも同じく200型をベースとする空中給油機KC−767型機の取得も進めており、最初の機体は既に初飛行を終え、2006年度中には納入される予定となっています。このように自衛隊関係の機材としてはこれから導入を始まる機体も含めまだまだ活躍が見られそうです。

ボーイング767−200 諸元
(1)日本航空 ボーイング767−246
(2)スカイマークエアラインズ  ボーイング767−281
特記のないものは共通
項目 データ
全長:48.51mm
全幅:47.57m
全高:15.85m
最大離陸重量:(1)136.1t
(2)127.0t
エンジン:(1)プラット&ホイットニー<JT9D−7R4D>
推力21,800kg×2基
(2)ゼネラル・エレクトリック<CF6−80A>
推力21,770kg×2基
巡航速度:(1)862km
(2)880km
航続距離:(1)6280km
(2)3740km
乗員/乗客:(1)2人/230人
(2)2人/234人
日本航空
200型/3機運航中(1983〜)

ボーイング767−200
(JA8233)
鶴丸塗装
2005.6.12 中部

ボーイング767−200
(JA8233)
2006.7.15 中部
全日空
200型/全機退役済(1983〜2004※リース機除く)

ボーイング767−200
(JA8240)
2002.8.31 羽田
  
北海道国際航空(エア・ドゥ)
200型/退役済(2003〜2005)
※全日空からのリース機
スカイマークエアラインズ
200型/退役済(2003〜2004)
※全日空からのリース機

ボーイング767−200
(JA8251)
3号機
2006.6.5 羽田

ボーイング767−200
(JA8255)
4号機
2003.12.6 徳島
航空自衛隊
E767型機/4機運航中(1998〜)
KC767J型機/4機導入予定(2006予〜)

ボーイングE−767
(64−3501)
2005.8.20 横田
  


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