ボーイング 747−400
BOEING 747-400
公開:2005年11月20日
改訂:****年**月**日


BOEING 747-446(JA8076) 日本航空/成田空港(さくらの山公園)


 より長い航続距離、より高い経済性、より高い快適性を目指し、来るべき時代の大型機を具現化すべくハイテク技術を駆使して機体・システム双方を大幅に近代化を図ったハイテク・ジャンボが本機、ボーイング747−400です。

■開発の歴史

 飛行から20年以上が経過し、その間、エンジンの換装や客室設備の変更、機体外形の変更等様々な改良が加えられた本機こうした細かな改良も限界を迎えることとなり300型の開発が一段落した1984年頃から次世代を睨んだ大幅な改良型の開発に着手、高い経済性と世界の主要な都市を無着陸で運航可能な長い航続性能、さらに客室の快適性や安全性の向上が図られた新型400型は1988年4月に初飛行を果たし、1989年1月に最初の発注先であるノースウエスト航空へ引き渡されました。

■特徴

 機の特徴は、外形では300型で開発されたSUD型の胴体形状をそのまま利用しましたが主翼端もそれぞれ1.8mずつ延長すると同時に外側へ傾けた複合材料製で巡航時の抵抗減少と失速特性の改善を図る目的で装着されたウィングレットと呼ばれる小さな翼を取り付けており、その他にも空力パーツの見直しが行われ、これらの空力性能の向上を図っています。
 またエンジンも最新のもの、具体的にはP&W製<PW4056>、GE製<CF6−80C2>、RR製<RB211−524G>といったそれぞれ推力25t以上で低燃費、低騒音の新世代のエンジンに換装、これらの見直しにより10%以上の燃費改善が図られ、航続距離は標準型13300kmに達しました。その他、構造材への新素材の導入や客室設備の改善等大小様々な改良が加えられています。

 してもっとも大きな特徴は、757/767型機での実績を元にしたコンピューターを駆使したハイテク化であり、従来の計器を削減し必要な情報のみを表示する6面のCRTに整理、さらに大幅な自動化も同時に進められた結果、最大離陸重量が350tを越す大型旅客機を航空機関士を必要としない2人乗務で運航可能としたことで、運航乗員の削減が可能となり経済性をより高めています。

■生産と派生型

 い経済性と航続性能を誇る本機は主要航空会社から歓迎され、丁度初期に導入された100/200型の置き換え需要も重なって注文は順調に伸び、さらに派生型として旅客と貨物の混載可能な400M型をはじめ、1991年にはSR型の代替機として短距離国内線の運航に特化した400D型が登場します。このタイプの特徴は短距離では効果の薄いウィングレットを撤去、胴体各部の強化、ブレーキ冷却ファンの追加等ですが基本的な構造はかわらないため、改修工事を実施すれば400型に復元可能となっています。
 1993年には貨物型としてアッパーデッキの延長部を廃した400F型も登場、2002年には最大離陸重量を増加させ航続距離をさらに延伸させた400ER型が、それをベースとした貨物型の400ERF型もそれぞれ登場、現在も生産が続けられています。

 の他、エアバス社が開発中の世界初のオール2階建て巨人機エアバスA380型機に対抗する意味でも本機に変わる次世代機の調査を進め、アッパーデッキを全長に渡って設けたオール2階建ての747X型などの試案が発表されますが超大型機の需要に懐疑的なボーイング社では巨額の費用を必要とする開発には消極的でしたが、エアバスA380型機がある程度の発注がもたらされていることから400型の胴体長を延長し機体の提案を開始、結果、2005年11月にはカーゴルクスと日本貨物航空がローンチカスタマーとなって胴体長を延長した747−8型の貨物型の開発を公表、旅客型についても仕様が発表され発注が期待されています。

■日本のジャンボ(4)

 本では日本航空が旅客型の400型を1987年に5機を発注、その後国際線・国際線の主力機材と位置づけて1990〜2001年の間に400型と国内線仕様の400D型をなんと42機(400型34機、400D型8機)を大量導入を実施、100型やSR型、200B型等初期に導入した747クラシックを駆逐し主力機材として今日も活躍中です。
 さらに2004年からは貨物型の400F型2機を導入、今後777型機の投入で余裕のある400型(旅客型)の貨物型への改造も計画されていて3機の確定発注と4機のオプション契約(2005年11月現在)があります。なお400型の貨物型については200型で試行されていたポリッシュドスキン塗装が導入されています。

 方、全日空は日本航空より先の1986年に1機を発注、こちらも国際線・国内線の主力機材として1991〜2000年までに23機(400型12機/400D型11機)を導入、前者は長距離国際線に後者は高需要国内線に投入しますが、1997年には400D型2機を前述の400型への改修プログラムを実施して400型として国際線に投入しますが3年で元に400D型へと戻され、2003年には逆に400型2機を400D型へと変更する改修工事が実施され現状は400型10機、400D型13機に陣容が変わり、さらに最近400型1機が国内線へ移り、今後400D型への改修が予想されています。
 さらに日本貨物航空を日本郵船に売却して新たに日本郵政公社と国際物流を扱う新会社設立を発表していることからこちらへの展開も注目されます。

 005年7月、日本郵船へ売却され全日空グループから離れた日本貨物航空は、従来、旧式化したSRF型並びに200F型計11機の置換を目指しレ新造の400F型4機と400型(旅客型)を貨物型へ改修した400SF型2機の導入を発表していましたが、これら環境の変化に応じて400SF型の導入を中止、かわって400F型4機の追加発注を発表、さらに2005年11月にはカーゴルクスと共に747−8F型のローンチカスタマーとして合計14機(確定8機、オプション6機)の追加発注を発表、2015年度には400F型8機と747−8F型14機の合計22機のフリートを目指すことを公表しています。

 の他、日本政府が1987年、政府要人や皇族の輸送を目的とした「政府専用機」として400型2機を発注、機内には執務室や会議室を備えており首相の外遊時には関係者約150人、緊急時の人員輸送時には最大300人を収容可能となっています。ちなみに先進各国の政府専用機が中型機の中、あえてジャンボを選定したのは当時アメリカに対する貿易摩擦が大きな問題となっていた中でも対米貿易黒字削減を目指したという政治的な意図がありました。
 ともあれ1991年に2機を導入、その運航は航空自衛隊へと移管、特別航空輸送隊・第701航空隊が編成され1993年から本格的な運用を開始、首相や政府要人の外遊をはじめ海外での国際平和協力業務や在外法人の輸送任務等その任務飛行は100回を越えました。近年ではイラクへの自衛隊派遣や小泉首相の訪朝等で活躍が見られます。

 外編としては、日本エアシステムが国際線参入にあわせて一時期本機の導入を決定しボーイング社に確定発注を出したこともありますが、その後のバブル経済崩壊による国際線事業の採算悪化に伴い、ボーイング777型機発注に振り返られかつてのエアバス社のコーポレートカラーだったJASカラーを纏ったボーイング機という異色の取り合わせは実現することなく終わりました。

ボーイング747−400 諸元
(1)日本航空 ボーイング747−446
(2)全日空 ボーイング747−481D
(3)日本貨物航空 ボーイング747−481F
項目 データ
全長:70.67m
全幅:64.92m
全高:19.40m
最大離陸重量:(1)394.6t
(2)276.9t
(3)397t
エンジン:(1)ジェネラルエレクトリック <CF6−80C2B1F>
   推力25,930kg×4基
(2)ジェネラルエレクトリック <CF6−80C2B1F>
   推力26,300kg×4基
(3)同上
巡航速度:(1)916km
(2)910km
(3)同上
航続距離:(1)12,300km
(2)3,830km
(3)7,850km(最大ペイロード時)
乗員/乗客(貨物):(1)2人/431人(標準)
(2)2人/596人(最大)
(3)2人/最大120t
展示室
当館で展示しておりますボーイング747−400型機についてご案内しております。
日本航空
400型/34機運航中(1990〜)
400D型/8機運航中(1991〜)
400F型/2機運航中(2004〜)
400SF型/3機導入予定(2006〜)

ボーイング747−400
(BOEING 747-446/JA8086)

ボーイング747−400
(BOEING 747-446/JA8088)
新塗装

ボーイング747−400D
(BOEING 747-446D/JA8908)

ボーイング747−400D
(BOEING 747-446D/JA8905)
新塗装

ボーイング747−400F
(BOEING 747-446F/JA402J)
NO DATA
ボーイング747−400SF
(BOEING 747-446SF/JA****)
全日空
400型/10機運航中(1991〜)
400D型/13機運航中(1991〜)

ボーイング747−400
(BOEING 747-481/JA8095)

ボーイング747−400
(BOEING 747-481/JA405A)
ANAロゴ

ボーイング747−400D
(BOEING 747-481D/JA8965)

ボーイング747−400D
(BOEING 747-481D/JA8955)
ANAロゴ
日本貨物航空
400F型/2機運航中(2004〜)

ボーイング747−400
(BOEING 747-481F/JA01KZ)
 
航空自衛隊
400型/2機運航中(1991〜)

ボーイング747−400
(BOEING 747-47C/20-1101)

ボーイング747−400
(BOEING 747-47C/20-1102)


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