AIRBUS A300-600
公開:2005年1月16日
改訂:****年**月**日 |
AIRBUS A300B4-622R(JA8527) 日本航空ジャパン/羽田空港・川崎浮島公園
複合材を多用して軽量化を図ると共にハイテク技術を駆使してグラスコクピット化を実施して2人乗務機となった200席級双発ジェット旅客機A310型機の技術をA300型機にフィードバックしたのが本機、エアバスA300−600/−600R型機です。
■開発の歴史 |
本機開発のベースとなったA310型機は当初、A300型機の単純な短胴型として計画されますが、より高い経済性をもつ機体とすべく多くの最新技術、具体的には複合素材の多用や主翼や胴体の再設計による軽量化や空力の向上、そして200席級の機体としては初の2人乗務化に大きく貢献したコンピューター制御とそれを表示するCRTを導入したFFCC(Forward Facing Crew Cockpit、前向き乗務員コクピット)を採用する等、エアバス社が次世代へと踏み出した機体です。これらで用いられた新技術を用いてより高い経済性を持つ機体開発を目指して1980年12月、開発に着手、1983年7月に初飛行に成功しました。
■特徴 |
本機の特徴は、A310型機で導入されたハイテク技術を用いて2人乗務化を果たしたFFCCを採用すると共に、胴体尾部を再設計し2フレーム分短縮し、その分主翼後方の胴体を3フレーム、0.52m延長することで2列分の座席数増を図り、主翼もスポイラーやエルロン、フラップを改修、翼端には空力改善効果のあるウィングチップを設置、さらに機体各所に複合素材を用いることで2t近い軽量化を図っており、これらの改修で従来機より8%の運航費低減につながるとされます。
■生産と派生型 |
最初の量産型である600型は、最大離陸重量165.0t、座席数最大355、最大ペイロード時の航続距離は5378kmとして1983年7月に初飛行、さらに航続距離を求める航空会社向けに水平尾翼内にトリム燃料タンクを増設して最大離陸重量を170.5tとして航続距離を6171kmとした600R型が1987年12月に初飛行しています。さらに通常の旅客型に加えて貨客転用型の600C型や純貨物型の600F型が計画、これらの機体は前部胴体左舷に大型貨物扉が設置され、主客室床面を強化したもので旅客のかわりに貨物を46t搭載可能となっています。
さらにエアバス社が欧州各国で部品製作し、フランスで最終組立を行う関係で特殊大型貨物を空輸可能なターボプロップ輸送機スーパーグッピーを運航してきましたが老朽化に伴い、その後継機として本機をベースにした600ST型機の開発を開始、エンジンと主翼以外はほとんど新設計で本機製作のためだけに合弁会社が作られる程の大規模な改造が加えられた600ST(Super Transporter)型は1994年9月に初飛行、当初はスーパートランスポーターという愛称が名付けられましたが、その姿が白イルカにそっくりなことからベルーガと呼ばれるようになり結局愛称も同じになりました。
これらを含めた生産機数は293機(B4−600型206機、B4−600ST型5機、C4−600型3機、F4−600型79機)を記録し、現在も生産中です。
■日本のA300(2) |
日本では国内幹線の主力機材としてA300在来型を大量導入した日本エアシステム(現日本航空ジャパン)が国内航空需要の拡大にあわせて1989年6月に確定7機、オプション5機の発注を決定しました。ちなみに同社は前年からA300型機で待望の国際線運航を開始していたため国際線にも対応できるようにより航続距離の長い600R型を発注、同社の主力機材として2002年までに22機の大量導入を開始し、国内線及び近距離国際線で活躍しましたが、日本航空との合併後はすべての機材が国内線にのみ就航しています。
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